2009年1月9日金曜日

菊と刀

ルース・ベネディクトの「菊と刀」を読んでいる。

最初の章には、文化人類学者である彼女がとった調査手法(比較文化研究)についての説明がある。自分達にとって、なじみのない習慣や物の見方をする国民がどのような生活をするのかを理解しようとするとき、どのような調査手法をとればよいのか。アンケートなどによる世論調査はすでに分かっていることをよりよく教えてくれるが、想定範囲外のことについては役に立たない。他の国を理解しようとするときは、統計学ではなく、質の面から体系的に研究することが必要不可欠ということだ。

地域住民の潜在ニーズを探るためのグループインタビュー調査の考え方そのものだと思った。交通まちづくりにグループインタビュー調査の手法を最初に取り入れたのは、武蔵野市ムーバスの調査であり、その時の委員会委員長が岡並木さん(評論家=比較都市論)であったことを考えると、今更ながら納得できた。