2011年6月12日日曜日

最近読んだ本

アンソニー・フリント著 渡邉泰彦訳「ジェイコブズ対モーゼス ニューヨーク都市計画をめぐる闘い」

ジェイン・ジェイコブズを中心とした、都市開発・再生事業に対する近隣抗争の活動について書かれている。ジェイコブズは、ワシントン・スクエアパークを貫通する道路やローワーマンハッタン・エクスプレスウェイの建設に反対し、道路建設に伴う周辺環境の開発や建物・公園の取り壊し、住民立退きなどによって、生き生きとした多様で魅力的な都市環境が破壊されることを主張。その活動の中で『アメリカ大都市の死と生』が生まれた話や、また、ジェイコブズが近隣抗争に関わる前にジャーナリストとして活動を始めるあたりの話も面白い。
一方で、都市全体の計画には、ジェイコブズとモーゼス双方の視点が必要というのは当然あると思う。

ボブディランが「時代は変わる」を歌う少し以前に、ローワーマンハッタン・エクスプレスウェイへの抗議の曲を書いていたらしい。どんな曲だろうか。
「風に吹かれて」と「時代は変わる」の間で、まだそれほど有名ではなかったボブ・ディランが、 ローワーマンハッタン・エクスプレスウェイへの抗議の歌曲を書き、この地域の美しい調べをもつ街路の名前、ディランシー、ブルーム、マルベリーを挿入してデモ行進で歌えるようにした。
原注を見ると、「cities back from the edge」という本を引用しているから、そこに書かれているのかもしれない。