2008年5月14日水曜日

都市のシンボルに関する一考察

シンボルとは何かを象徴するもので、国や都市・地域のシンボル、会社・組織のシンボル、自由・正義のシンボルなど様々な形態がある。これらシンボルのはたす役割は、人々が何かに属しているという意識を持ち、自らの存在や活動に誇りを持てる(アイデンティティ形成)ための、一つの目安・手助けとなることだと思う。

シンボルであるための構成要件は、外的(外観や認知度)なものと内的(潜在的)要件に分けて考える必要があると思う。シンボリックな物やランドマークと言われるものは、見た目のデザインが特徴的であったり、規模が大きく目立つこと、誰にもで知られていることなどがシンボルであるための大きな要件となっている。
一方で、目立つ建物やモニュメントでもシンボルにはなり得ない、安っぽいと感じるものもたくさんある。これらに足りないものが何かを考えることが必要になってくる。

内的(潜在的)な要件としては、歴史性、連綿性(継続性?)などが挙げられるのではないかと考えている。歴史性とは、シンボルが象徴する対象そのものと時系列的に重ね合わせて感じられること。また、歴史があることで重み(深み)を感じられる。
連綿性(継続性)は、現在も続いて存在していること。たんに昔の古い建築物や町並みを再現したのでは、張りぼてにすぎない。過去から現在まで連綿と続いていればこそ、人々はより強く誇りをもって象徴性を感じることができるのじゃないか。

その他に要件としては、独自性・唯一性、空間(場所、範囲、規模)、文化、日常生活(身近なもの、繋がっていると感じる)、正当性(悪いものはシンボルにならない?)などの視点から検討すべきだと思うが、うまく整理できていない。